2016年アニメ映画レビュー『聲の形』『この世界の片隅に』 コミュニケーションをかき立てる映画たち さはらチャンネル
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2016年アニメ映画レビュー『聲の形』『この世界の片隅に』 コミュニケーションをかき立てる映画たち

   

2016年は社会現象とまで言われる大ヒットをした『君の名は。』が印象強いが、他にも素晴らしいアニメ映画が目白押しの年だった。その中ではずせない作品であった『聲の形』『この世界の片隅に』の2本についてふれておきたい。
山田尚子監督の『聲(こえ)の形』は聴覚障害を持つ少女と、かつて彼女をいじめることに荷担してしまった少年が高校生になって再会したことから始まる物語である。贖罪の物語ではなく、彼や彼女らがどのような生きづらさを抱えているのか、そしてお互いに何を感じたことで変化をし、人生が開けていくのか。思春期の閉塞とそこからの成長の物語だ。
9月に公開されるや、感動が観客を呼び興行成績を大きく伸ばした。この作品の主な観客層は高校生前後であるのだが、彼らを見つめる親の心情描写など、大人の方が感情移入できる要素も多い。年が明けた17年1月現在でも一部の劇場では上映が続いている。
根底にあるのは“コミュニケーション”の本質そのものへの問いかけだ。人に気持ちを伝えることの難しさ、壁、わずらわしさ。しかしそれでもなぜ僕らは他者へのコミュニケーションを求め、望み、そのために苦心するのか。登場人物たちは自分たちのその答を探していく。軽くはない題材を扱いながら、目の前の風景が開けていくドラマは、見終えたときの印象がとても心地良かった。
原作はベストセラーとなったコミックであるが、聴覚障害ゆえに声を上手く発せられない主人公の演技、ささいな仕草の描写、心情を伝える映像演出にアニメ(映像)化ならではのプラスアルファがあるし、なによりそれらの描き方に監督自身が何をどのように見て感じているのかが伝わってきた。このように現代が舞台の日常の物語では「実写ドラマや映画化ではダメなのか?なぜアニメなのか?」という反応が必ずといっていいほどあるのだが、風景の切り取り方ひとつをとっても心情を伝えるための記号に出来ることが、僕はアニメだからこそ可能な強みであると思う。
そして11月の片渕須直監督による『この世界の片隅に』。
少ない公開規模でありながら評判が広がり観客数が増え続け、最近では芸能人や著名人が感動を自身のブログなどでも話題にしているのを目にする。年が明けて今後さらに公開館が増えていく予定だという。すでに多くの映画ファンから「2016年のベスト1」という声が出ていたが、実際、1月10日に発表された『第90回キネマ旬報ベスト・テン』では日本映画第1位と監督賞をダブル受賞した。長く続く同賞においてアニメ映画が1位に選ばれたのは『となりのトトロ』(1988年)以来の2度目。監督賞にアニメ監督が選ばれたのは初である。
昭和10年代に広島から呉に嫁いだ女性・すずを主人公とした戦時中を舞台とした作品だが、幾多の同時代を舞台とするドラマや映画とは大きく異なる。描かれるのはあくまで彼女を取り巻く戦時下の日常の日々だ。
イラスト調の画で表現された映像はとてもシンプルにかわいらしく見える。しかし次第に観客はまるでその物語の世界、狂気や絶望が混在する時代そのものに引きずり込まれているかのような錯覚に陥る。時代性を再現する徹底したリサーチは凄まじい。そもそも、こうの史代による原作マンガでもそのリサーチはとてつもないレベルなのだが、アニメ映画化にあたり制作者はさらに徹底して行い作品に反映させている。それは僕らのような戦争体験者ではない世代にある「戦争時代を描いた作品はこういう物だろう」「これまで映画やドラマで見たその時代の描写はこうだった」というあらゆる思い込みを根底から揺るがしてくれる。徹底して再現したその時代性は、実写、アニメを問わず今後の映画・ドラマにおける戦中描写を大きく変えることになるかもしれない。実際に当時を経験している世代の人たちの反応もかなり良いようで、ネットでも当時を経験している親と見に行ったら「あの通りだった」と語っていたという話を目にした。だが、同時にそのことは、当時の日常についての話を僕たちがいかに上の世代から引き継いでいないのかを痛感させられ、少々愕然ともした。大人層を中心とした拡がりを見せているが、その意味では中高生などにもぜひ見て貰いたいと思う。この映画は僕たちが忘れていたり気づいていない大切なものを語ってくれる。
引用元:http://rdsig.yahoo.co.jp/media/news/cm/list/zasshi/RV=1/RU=aHR0cDovL3phc3NoaS5uZXdzLnlhaG9vLmNvLmpwL2FydGljbGU_YT0yMDE3MDExMi0wMDAxMDAwMC1vdG9jb3RvLW1vdmk-
1 :名無しのさはら|2017/1/12 17:48
3本とも見ました。
三者三様でアプローチが異なりますが、記事の通りで、見方や考え方違います。
何が正解か、ではなく、何を感じたのか。考えが違っても良いので、見る人なりの意見で受け止めてほしい、と思います。
2 :名無しのさはら|2017/1/12 18:07
うちも君の名はとこの二本全部見たけど三本ともとても感動したりしてとても良かったと思った。特に聲の形はヒロインほど重くはないが同じ障害があるため深く考えさせられた
3 :名無しのさはら|2017/1/12 18:09
さあこれを見た松竹のお偉いさんは今すぐにでも聲の形の上映館を増やしてください
4 :名無しのさはら|2017/1/12 18:20
レッドタートルはどうしてヒットしなかったのだろう、語り合いたいものだ。
5 :名無しのさはら|2017/1/12 18:20
レッドタートルはどうしてヒットしなかったのだろう、語り合いたいものだ。
6 :名無しのさはら|2017/1/12 18:21
「聲の形」と「君の名は」は両方とも岐阜県が舞台になってたのがビックリした。いままで実写の舞台にもなってなかったから。
7 :名無しのさはら|2017/1/12 18:27
聲の形を猛プッシュしないで大爆死した真田十勇士にスクリーンを割いた松竹は本当に大アホ。
さらには片淵監督の前作のマイマイ新子と千年の魔法を配給した松竹がこの世界の片隅にを結局見向きもしなかったのは本当に見る目が無い。
今年は東宝もアニメマンガの実写版ばっかり上映予定だけど松竹のラインナップ見たらもっと酷かったし。
どうもダメだなこの会社。
聲の形は本当に松竹が責任を持ってもっと売り込むべきだった。
世界の映画祭にも出品してみれば良かったのに。
1 :名無しのチャンネル|2017/1/12 18:57
「マイマイ新子と千年の魔法」は松竹がデジタル化したので、これから全国公開もあるかもねと言うか自分が観たい。レンタルで観たけど、本当に素晴らしかった。
8 :名無しのさはら|2017/1/12 18:32
この3本共にアニメで有ることが面白い。シンゴジラは、この3本に比する映画で有ったように思うが、他の実写映画の多くが、蛸壺風であったように思える。蛸壺以前にゴミの方が多いけど。

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